
毎日毎日・・・この言葉を何回言っているでしょうか。
言えば言うほど、子どもは動かない。ママのイライラは募るばかり…。
実は、子どもが片付けないのは「やる気がない」からではなく、「片付け方がわからない」か「片付ける仕組みが合っていない」ことがほとんどです。
今回は、ガミガミ言わなくても子どもが自然と体を動かしたくなる、収納と声かけの「仕掛けづくり」についてご紹介します。
1. なぜ子どもは片付けられないの? 3つの「壁」
まずは敵を知ることから。子どもが片付けられない時、実は3つの壁にぶつかっています。
①「場所」が決まっていない壁

大人でも住所不定の郵便物は困りますよね。
子どもにとって、戻す場所が曖昧なおもちゃは「迷子」と同じ。迷うと手放してしまい、それが「散らかり」になります。
②「アクション」が多すぎる壁

扉を開けて、箱の蓋を開けて、中に入れて、蓋を閉めて、扉を閉める…。
この5アクション、大人なら無意識にできますが、子どもにとっては「面倒くさい!」の極み。アクション数は少なければ少ないほど、片付けのハードルは下がります。
③「達成感」がない壁

片付けても「当たり前」と言われ、散らかっている時だけ怒られる。これではやる気が出ません。片付けの先に「いいこと」が待っているイメージが必要です。
2. 子どもが動く!収納の「仕掛け」テクニック
では、具体的にどんな仕組みを作ればいいのでしょうか。
仕掛け① 「ポイポイ収納」でハードルを極限まで下げる
一番簡単なのは「放り込むだけ」の収納です。
大きなボックスやカゴを用意し、ジャンルごとにポイポイ入れるだけ。

- ぬいぐるみ専用ハンモック
部屋のコーナー部分に布やネットを吊るし、そこへぬいぐるみを「シュート!」と投げ入れるスタイルに。ゲーム感覚で片付きます。 - 「とりあえずボックス」の設置
夕方の忙しい時間、細かく分類している暇はありません。「寝る前はここに入れるだけでOK」という逃げ道ボックスを作るだけで、床は見違えるほどキレイになります。
仕掛け② トミカ・プラレールは「駐車場」にする
ミニカーや電車のおもちゃは、「箱にしまう」よりも「並べる」ほうが子どもは喜びます。

- マステで駐車場づくり
収納棚の棚板や、カラーボックスの上にマスキングテープで「白線」を引くだけ。これだけでそこは立派な駐車場になります。「満車にしてね」と声をかければ、喜んで定位置に車をバックさせます。 - 見える化でコレクション欲を刺激
透明なケースやオープン棚に並べることで、「カッコよく飾りたい!」という欲求を満たしつつ収納できます。
仕掛け③ 写真ラベリング&「色」でゾーニング
文字が読めない年齢なら、視覚情報に頼りましょう。

- リアル写真シール:
おもちゃの写真を撮って、収納ボックスに貼ります。「同じ絵のところに合わせる」というパズル感覚が生まれ、迷わず戻せます。 - テーマカラーでテリトリー分け:
きょうだいがいる場合、「お兄ちゃんは青の棚」「妹はピンクの棚」と色分け。マスキングテープで棚の縁やカゴを色分けするだけで、「自分の場所」という意識が芽生え、責任感が生まれます。
仕掛け④ 冬の上着は「吊るすだけ」で完了

- 子ども専用フック
子どもの身長に合わせた低い位置に、フックを一つ設置。「毎日着る上着はここにかけてね」と、吊るしておきます。 - ユニークなフックで楽しむ
動物のしっぽ型や、カラフルなボタン型のフックなど、子どもが触りたくなるデザインを選ぶと、「かけたい!」という気持ちを引き出せます。
3. 心を動かす!魔法の「声かけ」変換
仕組みができたら、次はソフト面のアプローチ!
変換① 「片付けなさい」→「次は何する?」
子どもは「片付け」自体に興味はありません。
片付けを「次の楽しみへのチケット」にしてしまいましょう。
変換② 「競争しよう!」
「ママがキッチン片付けるのと、○○ちゃんがブロック片付けるの、どっちが早いかな? よーいドン!」
ゲーム性は最強の起爆剤。
好きな音楽を1曲かけて「曲が終わるまでに全部箱に入れられるかな?」というタイムアタックも効果絶大です。
変換③ 「元に戻して」→「お家に帰そう」
「おもちゃさん、床の上だと寒くて泣いてるかも」「みんなをお家に帰してあげよう」
物語性を持たせることで、作業が「義務」から「人助け(おもちゃ助け)」に変わります。
4. 習慣化へのラストピース「親のハードルを下げる」
最後に、ママ自身のハードルも下げておきましょう。
子どもが片付けを覚えるのは、自転車の練習と同じ。すぐにはできるようになりません。
- 6割できればOK:箱からはみ出していても、種類が少し混ざっていても、「床が見えていればOK」としましょう。
- 週末リセット方式:平日は「とりあえずボックス」に放り込むだけ。時間のある週末に親子で本来の場所に分ける。これなら平日のイライラが激減します。
まとめ:片付けは「ママのため」ではなく「子どもの自立」のため
部屋が片付く一番のメリットは、ママが楽になること…ではありません。
「自分でできたね!」
片付いた部屋でその一言が言えたなら、今日の片付けは大成功。
まずはおもちゃ箱を一つ、「ポイポイ収納」に変えるところから!その小さな仕掛けが、親子の笑顔の時間を作る第一歩になるはずです。