
そんなジレンマを抱えるワーママは、とても多いです。
朝は保育園への送迎、日中は仕事、帰宅後は子どもの世話に家事、そして親としての責任感から「子どもの学習もサポートしなきゃ」というプレッシャーが降りかかります。
ワーママだからこそできる、効率的で無理のないおうち学習の実現方法があるのです。ここでは、フルタイムや時短で働きながらでも無理なく続けられるおうち学習の始め方と、実践的な時短テクをまとめました。
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ワーママのおうち学習が失敗する理由
まず知っておくべきことは、「ワーママがおうち学習に失敗する理由」の多くが、「理想の形を追い求めすぎた」という点です。
一般的な家庭学習のイメージは、「放課後に親がしっかり付き添って、宿題を見守り、さらに1時間程度の勉強サポート」というものかもしれません。しかし、ワーママにはそのような時間的余裕がありません。
朝6時に起床して、子どもの準備、自分の準備、保育園への送迎。日中は仕事。帰宅後はすぐに子どものお世話です。夕食準備、食事、お風呂、寝かしつけ・・・。

だからこそ、ワーママには「ワーママ仕様のおうち学習」という選択肢が必要なのです。短時間で、効率的で、なおかつ子どもの学習効果も期待できる学習方法を設計することが、長続きするおうち学習の鍵となります。
朝15分・夜30分で考えてみる
では、実際にワーママが確保できる学習時間は、どのくらいが現実的なのでしょうか。
理想は、「朝15分+夜30分の合わせて45分程度」が目安になります。
朝の15分は、子どもが登園前、登校前に「頭をすっきりさせる」程度の軽い学習を入れてみます。
例えば、音読5分、簡単な計算プリント1ページを10分といった具合です。この時間に大事なのは「勉強量」ではなく「毎日の習慣」です。朝食後に必ずこれをやるというルーティンが作られることで、子ども自身も親自身も「学習スイッチ」を入れやすくなります。
夜の30分は、帰宅後のある程度まとまった学習時間です。但し、ワーママが「隣で全部見ている」時間ではなく、「タブレットを活用した学習や教材で自走させながら、親は家事をしつつ見守っている」というのが現実的です。
この配分ができると、「完全に親が付き添う時間」は最小限に、「子どもが独立して学習を進める時間」を最大化することも可能に。
実は、これが子どもの「自力で学習する力」を養うのにも、非常に効果的です。
おうち学習が続く「環境づくり」が一番の時短テク
ワーママのおうち学習を成功させるために、最も重要なポイントは「環境づくり」です。
なぜなら、子どもは「親が声をかけなくても始めてくれる環境」があれば、ほぼ自動的に学習を開始するからです。逆に、「勉強しなさい」と毎回声をかけないといけない環境だと、子どもも反発しやすくなるし、ワーママの精神的負担も増し、仕事の疲労も加わって、すぐに息切れしてしまいます。
具体的には、以下の3つが効果的です。
ポイント1:リビングの一角に「学習スペース」を固定で作る
子ども用の小さな机でいいので、リビングの目につく場所に固定で配置します。リビング近くの一室でもいいでしょう。
大事なのは、「いつでもそこに座れば勉強が始まる」という一貫性です。
毎日場所が違うと、「今日は勉強する場所なのか、遊ぶ場所なのか」という認識が曖昧になり、学習習慣がつきにくくなります。
ポイント2:学習に必要なものをひとまとめにして、すぐ取り出せる状態にする
ワークのファイル、使っている教材、鉛筆、消しゴム、タブレットなどをボックスにまとめて、すぐ手の届く机の近くに置いておきます。
「何を使おうかな」と探す時間自体が、モチベーション低下につながります。

「これを全部使ったらおうち学習は終わり」という見える化も、子ども心理的に効果的です。100円ショップのプラボックスを使えば、すぐに始められます。
ポイント3:学習の流れを「紙に書いて見える化」しておく
帰宅後から就寝前までの学習ルーティンを、紙に書いて貼っておくのも有効です。
例えば「①手洗い・うがい(5分)→ ②おやつタイム(10分)→ ③ワーク1ページ(10分)→ ④タブレット学習(15分)→ ⑤自由時間(15分)」といった具合です。
この流れが子どもの目に入ることで、「次は何をするのか」という指示を親が言わなくても、子どもが自分で判断できるようになります。
学習時間は「短く・毎日同じタイミング」に固定する
おうち学習が続かない第2の理由は、「不規則だから」です。
「気が向いたらやる」「時間に余裕ができたらやる」というスタイルだと、忙しい日が続いた瞬間にすぐフェードアウトしてしまいます。
むしろ、毎日同じタイミングに「短時間の学習」を組み込む方が、習慣として根付きやすくなります。
朝食後の10~15分:音読と計算タイム
子どもが登園、登校前のある程度リラックスした状態で、短い時間で終わる学習をします。
親側も、朝食の片付けをしながらできる程度の「見守り」で大丈夫です。この時間にひらがなの練習を少しずつ進めたり、1桁の足し算を毎日繰り返したりすることで、基礎学力が自然と定着していきます。
保育園から帰宅直後の10分:タブレット学習とおやつセット
帰宅直後は子どもが興奮状態にあります。嫌なことが合ったり、疲れていたりと中々すぐに勉強!という気分にはならないことも。
ここで意図的に「おやつ+タブレット学習の時間」を設定することで、子どもの気分をリセットさせながら、学習習慣を組み込めます。親は「座ってやってね」と声をかけるだけで、その後の家事に取りかかれます。
就寝前の10分:振り返りとシール貼り
その日に学んだことを簡単に振り返ったり、学習カレンダーにシールを貼ったりする時間に。
1日の終わりに「今日も勉強できたね」という親子のポジティブな交流が、子どもの自己肯定感を高めます。
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ワークは「簡単なものから」「一日1~2ページ」でOK
忙しいときほど、つい「せっかくやるならたくさんやらせたい」という欲が出がちです。

ワーママのおうち学習は、「小さく始めて、積み上げる」という戦略が正解です。
教材選びのコツ:その子にとって「少し簡単かな?」くらいのレベルを選ぶ
少し下のレベルの教材を選ぶことが、最高の戦略です。
この戦略には、「簡単だから、すぐに終わる」「できたという成功体験が積む」「親も『今日も終わった!』という達成感を得る」という3つのメリットがあります。
一方、適切な難度よりも難しい教材を選ぶと、子どもが詰まりやすくなり、親のサポートも必要に。この時点で、ワーママの時短戦略は失敗してしまうのです。
毎日のボリューム:1~2ページ程度でOKにする
「毎日5ページ」などと目標を立てると、出来なかったときに「今日は2ページしかできなかった…」という罪悪感が生まれます。
むしろ最初から「1ページが基本。早く終わったらラッキー」くらいの気持ちで始める方が、長く続きやすくなります。
最初の数か月のゴール:「机に向かう習慣」を優先する
最初の1ヶ月は、「量」ではなく「習慣化」を目的に。
毎日同じ時間に、同じ場所で、同じことをやる。この繰り返しが「おうち学習は生活の一部」という認識を持たせることが出来たら大成功!

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タブレット・映像教材を「ながら学習」で味方につける
ワーママにとって、タブレット教材や映像教材は、非常に強い武器です。
従来の「親が隣で見ながら教える」というスタイルから解放され、「子ども自身が学習を進める」仕組みが可能に。タブレット学習なら解説もしてくれるので、親の説明時間も大幅に削減できます。
具体的な活用シーン:親の家事と並行させる
夕食準備の最中にリビングでタブレット学習をさせれば、キッチンから子どもの様子を見守りながら、料理に集中できます。洗濯物をたたむ時間に、タブレットでドリル学習や英語アプリをさせるという使い方も有効です。

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子ども側としても、「ママが近くにいながら、自分で頑張っている」という感覚が、学習への集中力を高めます。
「親が隣で教えない」=「親に見放されている」ではなく、「信頼されて、自分の力で学んでいる」という心理状態を作り出すことができるのです。
スケジュール化:「この映像を見たらお風呂」とセット化する
特定のタブレット学習や映像を「お風呂の前」とセット化することで、子ども側も時間感覚を持ちやすくなります。
「この学習が終わったら、次は楽しいお風呂の時間」という流れが、学習をポジティブに捉える心理につながります。
注意点:「自由なYouTube見放題」は避ける
タブレット=自由にYouTubeが見放題という状態になると、学習というより「ひたすら動画視聴」になりやすいです。使うアプリを制限し、1日の使用時間をあらかじめ決めておくことが重要です。
「親が全部見る」のをやめて、自走できる教材を選ぶ
共働き家庭の勉強時間の悩みで最も多いのは、「見てあげたいけど時間がない」「横に座って教える余裕がない」という声です。
この悩みを根本的に解決するためには、「親が丸つけや解説をしなくても、ある程度一人で進められる教材」を意図的に選ぶ戦略が有効です。
教材選びの重要なポイント
①丸つけが自動、もしくは解答が見やすい構成になっているか
タブレット学習の大多数は、自動採点機能があります。
子どもがボタンを押すだけで「正解」「不正解」が即座に返ってきます。この仕組みにより、親が手で丸つけする手間が不要になります。
②解説動画や音声がセットになっていて、親の代わりに説明してくれるか
わからないとき、子どもが「ママ、これなに?」と親に聞くのではなく、タブレットが図解や動画で説明してくれるシステムになっているか。これが重要です。
親は「困ったことがあったら、このボタンを押してみて」と一度教えるだけで済みます。
③1回10~15分で区切りがつく設計になっているか
教材全体が「短いセッション」に分割されているかも、選択基準になります。
「今日はここまで」という区切りが自然に発生することで、終了時間が曖昧にならずに済みます。
「親の手間が減る教材=子どもが長く続けやすい教材」という相関関係があります。完璧な内容よりも、「ワーママでも無理なく回せる仕組みかどうか」を優先して選ぶ方が、結果的に子どもの総学習量が増えます。
仕事が忙しい日は「完全オフの日」を作っていい
「毎日完璧にやらなきゃ」という自分への厳しさは最大の敵です。
繁忙期や体調不良のときに、「毎日やらなきゃ」と自分を追い詰めると、おうち学習そのものが嫌になりやすくなります。
最初から「週に1~2日は完全オフの日」を決めておいた方が、親子ともに心理的に楽になり、結果として長続きするのです。
現実的なスケジュール案
例えば、「平日は3~4日、おうち学習」「金曜または土曜は勉強なしの日」などと決めちゃいます。
長期休み(夏休みなど)の場合も、「前半はゆるく、後半だけ少し増やす」といった波をつける方法が効果的です。全期間を通して毎日同じペースを保つのは、子どもにとっても親にとっても疲弊につながります。
「できなかった日」ではなく「できた日」に目を向ける
大事なのは、「完璧さ」ではなく「継続性」です。
カレンダーにシールを貼るなどして「続けられた回数」を見える化することで、子どもも親も「できたことの積み重ね」を実感できます。
1ヶ月で見たとき、決めた日に決めた量の学習をきちんとこなせた!という達成感の方が重要です◎
ワーママだからこそ、おうち学習は「完璧を捨てる」が正解
仕事も育児も家事も…と全部を100点でこなそうとすると、どこかで必ず苦しくなります。おうち学習も同じで、「毎日30分しっかり勉強させなきゃ」と考えるほど、続かなくなってしまいます。
発想の転換:「できることをやる」から「小さく始める」へ
- 短くていいから、できる曜日だけでいい
- 教えることより「仕組みづくり」に力を注ぐ
- 子どもの学びを全て背負い込まず、「教材やサービスに任せる」部分を意図的に作る
こうした発想に切り替えることで、ワーママでも育児と仕事、おうち学習の3つのバランスを取りやすくなります。
ワーママが得られる見えない恩恵
さらに興味深いことに、ワーママの子どもは「親に完全に甘えられない環境」で育つため、自然と「自分で進める力」が養われることが多いです。
親が出来ないことがあるからこそ、子どもが自力で学習を進め、その結果として「問題解決能力」や「自主性」が高まるという側面もあるのです。
まとめ:小さな積み重ねが大きな力になる
「今日は1ページでもできたならOK」「映像を流しながらでも学べたならOK」「今週は3日だけできたならOK」
こうした柔軟な考え方を持つことが、ワーママがおうち学習を長続きさせる秘訣です。

ワーママは、仕事で社会に貢献し、家庭で子どもを育て、そしてその合間に子どもの勉強を見る。とてもたくさんのことをこなしています。だからこそ、自分に完璧さを求めるのではなく、「ワーママ仕様の工夫」を味方につけることが重要!
まずは小さく、短く、無理のない形で、おうち学習を!その先に、子どもの「自分で学ぶ力」と、ワーママの「心に余裕を持つ生活」の両立が可能に!