子どもが小学校に上がった瞬間、親の毎日が激変する
保育園時代は、朝の送迎から帰園まで、親の生活は一定のリズムで回っていました。
でも小1になった途端、「朝が早く」「帰宅が早く」「やることが増える」という三重苦が一気に訪れます。
多くの親が「小1の壁」と呼ぶこの現象は、単なる時間の問題ではなく、仕事・家事・育児の全体バランスを根底から揺さぶるもの。
本記事では、小1で何が変わるのか、親の仕事調整という現実的な選択肢、そして親の負担をいかに減らすかまで、実例を交えながら徹底検証します。
「小1の壁」で生活リズムが激変する理由
朝が急に早くなり、親子のストレスが激増
小学校の登校時間は概ね8時～8時15分ごろ。
保育園や幼稚園時代は親が送るため、「朝は自分の出発時間に合わせればOK」という家庭も多かったはず。
しかし小1では「集合時間が決まっている」「遅刻できない」「班登校で他の子を待たせられない」というプレッシャーが加わり、多くの家庭が朝6時半前後に起床することに。
朝のバタバタがぐっと増え、「早くしなさい！」というママパパの声が響き渡る…そんな光景が共働き家庭で増えています。
放課後のすきま時間が急に増える問題
保育園は最長19時ごろまで場合によってはもっと遅くまで預かってもらえるため「多少の残業も大丈夫」ということも。
でも小学校は14時～14時半で授業が終わり、学童も18時前後が一般的。つまり「学童に預けたとしても、帰宅後の時間が必要」で、両親が共働きの場合、どうしてもすきま時間が生じます。学童落選となれば、その課題はさらに深刻化。
親のタスクが「劇的に」増える
- 毎日の宿題チェック・音読サポート
- プリント確認と翌日の持ち物確認
- 体操着・給食袋の洗濯
- 長期休暇中の日中の過ごし方や習い事の調整
- 学校行事・授業参観・保護者会・PTA活動への参加
保育園と比べ「親が毎日直接関わらなければいけない業務」が急増し、仕事後の帰宅時間から就寝までのわずかな時間に全部を詰め込まなければなりません。
親が検討する「仕事調整」という現実的な選択肢
わが家は子どもたちが幼稚園時代に復職をしていますが、その時に「家庭を優先したい」と考え、無理のない就労時間で復職しました。
家庭も大事だけど、やっぱりキャリアも気になる どっちを選べばいいのか悩んでしまう 復職をきっかけに、キャリアを優先すべきか家庭を優先すべきか、悩むママは多いと思います。 不安や迷い、罪悪感に[…]
この時は、学童に落ちることがあるなんて考えもしなかったので、フルタイムで就職しておけばよかったかな（点数的に）とおもったんですが、もう今更なので、私はさらなる時短になる決断をしました。
時短勤務への切り替え
多くの親が最初に検討するのが「時短勤務」。
- メリット：帰宅時間が早まり、子どもとの時間が増える
- デメリット：給与が大幅減少。実務量は減らないため「実質サービス残業」に悩む親も多い。
時短勤務にしなくても定時ダッシュが必要になるので、勤務時間に対する仕事量や周りの反応など、ストレスがグッと増えます。
時差出勤・勤務時間の柔軟化
朝早めに出勤して夜早く帰る、あるいはリモートワーク活用で「場所と時間の融通」を勝ち取る選択肢も。小1の壁を機に「働き方を総合的に見直す」親が増えています。
「朝早く出勤する」選択をするためには、夫婦で話し合い、お互いに協力するのが必要になってきますね。
転職・雇用形態の変更
「小1のタイミングで育児に理解ある職場への転職を決意」
「フリーランスやパート型に切り替え」
「両親の仕事分担を完全に組み直す」など、人生の大きな決断をする親も。
フルタイム継続＋サービスの複合活用
一方で「むしろフルタイムを続けながら、学童＋民間シッター＋習い事＋祖父母支援」で対応する家庭も。生活リズムが固定できることで、親の心理負担が減る場合も。
地域のファミサポなどは、お迎えを行ってくれることもあるようで、学童へのお迎え→習い事への送りをお願いして時間を稼ぐという方法も可能かもしれません。
親の「見えない負担」と現実的な軽減策
親が本当に苦労していることランキング
- 宿題対応・音読チェック→「毎日の丸つけが思った以上に手間」
- プリント管理→「毎日何枚も来て、期限や必要物を見落としがち」
- 長期休暇対応→「夏休みが地獄。学童落ちたら本当にどうしよう」
- 学校行事参加→「仕事調整して参加するも、疲れが倍加」
- 子どもの体調・心のケア→「新環境のストレスで不安定。親の心理的負担が増」
最近では、参観などは土日に実施する学校も増えていますが、その分振替で平日が休みになったり、懇談などはやはり平日が多いため、親の負担・仕事の調整は必須です。
冬季の感染症が流行る期間には、学級閉鎖などで仕事を休むしかないという状況になることも。いろんな対策を取っておくのが重要です。
今日だけは急に休めないのに・・・ 体調の悪い子どもを預ける場所ってあるのかな・・・？ 明日は我が身…「その日」は突然やってくる 保育園や学校への登園前体温計測で発熱を発見――「どうしよう」「今日[…]
現実的な軽減策
- タスク分担の見える化：プリント管理、宿題チェック、翌日準備など、夫婦で役割を明確化。
- 自動化・外部活用：宅配サービス＆ミールキット活用で夕食作りの時間短縮
- 学童＋習い事の複合利用：帰宅時間を後ろ倒しにしながら子どもに体験を。
- 地域サポート・祖父母の活用：週1日だけ祖父母に見守ってもらうだけでも、親の心理負担が軽減。
入学から数年は周りのサポートも受けつつ何とか乗り切るという意識が大事ですね。
「小1の壁を乗り越えられた家庭」が何をしたか
- 親の話し合い：「今の働き方で本当にいい？」を夫婦で正直に議論
- 職場への相談：勤務先に「小1のタイミング」を事前に伝え、制度利用可能性を確認
- 学童以外の選択肢を複数確保：地域児童館、習い事、民間シッター、ファミサポなど
- 家事の外部委託：完璧さを手放し、宅配やクリーニングを上手に活用
- 子どもとの心の繋がりを意識的に確保：少ない時間でも「質」を重視、寝る前の親子時間を神聖化
わが家は学童が無理だったので、長期休暇の預け先の選択肢を持ちつつ、時短パートに変更することで何とか乗り切っています。
平日はなんとかなっているけど、学校の長期休暇の間、子どもどうしよう・・・ 夏休み期間の学童も保留通知が・・・ 高学年にもなれば、お留守番もまあ可能ではあるでしょうが、結局１～３年生くらいま[…]
「小1の壁」は親子で乗り越える人生の大イベント
小1で生活リズムが激変し、親の仕事調整を迫られるのは、決して「失敗」ではなく、「人生の転機」。
時短・転職・フルタイム継続…どの選択が正解かは家庭によって違います。大事なのは「親が無理をしすぎず、子どもとの時間・自分のゆとりも大切にしながら、その家族らしい答えを見つけること」。
「小1の壁があるから親は疲弊する」のではなく「小1のタイミングで親も子も一緒に成長できる」という視点で乗り越えていきましょう！